まったく、愚かだと言う他ないな。
人間の世界を壊して、そしてどんな時代を作る？　
今の時代を壊して、どんな世界を作るのか、計画があって君は暴挙にでているのか？

その覚悟があるのか？　ただ現状に不満を言っているだけではないのか？
覚悟も、計画もなく、そんな動機で生み出された世界が、幸せになれると思っているのか？

分かるだろう。今のままがいいのだ。人間中心で、人間のためにある世界が。
全ては優良種である人間に支配され、神々も精霊も従う。それでいままでうまくいってきた。

それを、何故今になって壊す？

再び神々が人間を支配する時代が戻ってくるとでも思っているのか？
無理だ。そんな時代は、決してやってこない。もう二度ときはしないのだ。
それなのに、なぜ！　なぜ！　なぜ！　戦う！　答えろ！　新しい世界とやらよ！

……聞く耳ももたないか。いいだろう。そちらがその気なら、こちらも容赦はしない！
この侵略者め！

なぜここに城が出来ていると思う？

城は防御のためにある。世界は、新しい時代が来るのを阻止しようとしているのだ！！
それが何故分からない？

世界は痛みにあえいでいるのだ？　人間の世界が、終ってしまう！
技術は進歩しているんだ。
このままではそう遠くない時間に人間と同じかそれ以上の存在が産まれてしまう。
神々の後に我々が生まれ、新しい世界をつくったように。

このままでは時間の問題で人間以外の意識体が世界を動かすことになるんだぞ！

世界が痛みを感じないとでも思っているのか？
世界には意識がある。ただ、分かりづらいだけだというのに。
分かりづらければ痛めつけていいと思っているのか。

世界は世界に属する存在に鏡像として映る。人も、神も世界の投影にしかすぎない。

なのに、なぜだ。なぜ部分であるべき人間が、全体である世界に反逆する？
世界は自殺しようとしているのか。

いくつもの世界が生まれてきた。いくつもの世界が今も生き続けている。
それを侵し、それを破壊し、そして目指す先はなんだ。

答えろ。侵略者。答えるんだ。

僕に神々の武具をわたし、その一方で僕を殺そうとする。世界は狂っているのか。
それとも選ばせようとしているのか。あの人のように。
いくつもの世界から、ひとつだけを。

だとしても、僕は、いや、人間は、サルのヤオト体は終る訳にはいかないんだ。
かのものに復讐の刃を突き立てるまで！

おぉぉぉぉ！
こんなところで！　こんなところで終れるか！